救急センターへ行く
昨晩初の黄疸症状を出した自分だったが、とりあえずどこも痛くないので寝た。
翌日は、朝の9時くらいに起床し、『昨日黄色かったのは幻だったかもしれない。あるいは、改善しているかも??』と、一縷の望みをもって鏡を見たが、黄疸が自然治癒するとかありえない。
どころか、昨日より黄色くなっている。
身体もだるくて思うように動かない。
これはもうダメだと、嫁と相談し、日曜日だったが近所の救急医療センターへ駆け込んだ。
この時午前11時過ぎ。
救急センターは幸い空いていて、すぐに診察室へ呼ばれた。
医師に、金曜の夜からの事柄を話し、昨晩から体が黄色くなったことを話した所、身体や目を診られ「黄色いね。黄疸出てるね。」と言われた。
そして、診察ベッドに横になる様促された。
腹部エコー検査へ
ベッドに横になり、触診後エコー検査となった。
医師は、患部付近をぐりぐりと重点的にエコー検査しているようだ。
そして、「今は痛くない??」との問いがあり、私は「痛くありません。」と答えた。
「全く?」と聞かれたので「痛くないです。」と再度答える。
「胆のうに大きな石が写っており、幾度と痛かったのは、おそらく『胆のう炎』だったと推測します。胆のう炎は、胆のうの中で石が動いて炎症を起こし、みぞおち付近が痛くなります。」
と、説明された。
「腸内での飲食物消化をより促すため、『胆汁(消化液)』が肝臓から分泌されます。胆汁は一度胆のうに運ばれ、胆のう内で凝縮され、胆管を通って十二指腸に運ばれます。胆のうは、胆汁の濃度調整を行う臓器です。」
更に医師は、胆のうの機能について説明した。
とりあえず、図を書いて説明すると、こんな感じだ。
特に食べすぎ、脂っこいものを摂取する等すると、消化機能を増加させるために胆のう機能が活発になるとの事。
また、胆石は、体質や食生活等様々な要素で生成されるとの事だった。
・・・、体調悪いのに焼き肉食べてる場合じゃなかった・・・!
確か、2年前の人間ドックで「胆のうに石が数個ありますよ。」と言われていたのに。
黄疸が出たのは、おそらく胆石が胆管に落ち、途中で石が詰まり、体内に胆汁が充満した事による症状だろうと医師は説明してくれた。
現時点での診断は『総胆管結石症』であったが、エコーでは胆管内の石が確認できなかったことや、黄疸症状の精密検査を要するので、「総合病院へすぐに行ってください。」と、紹介状をだされ、すぐさま地元の総合病院へ向かった。
・・・・、診察代は4000円もした・・・。
総合病院A到着
紹介状を握りしめてA病院に到着した。
A病院は、この辺りでは有名な総合病院だ。紹介状なしではほとんど診察してもらえない。
今日は休日だったため、一階窓口はがらんとしている。
嫁と私は救急窓口へ行き紹介状を渡した。
ほどなくして救急診察室へ呼ばれ、またしてもエコー検査となった。
凄く若い医師は、紹介状を読みながら私の話を聞いていたが、その後私にベッドに横になる様促したあと、みぞおち部分を重点的にエコーでぐりぐりとやっている。
「おなかは痛くないですか??」
もうこの質問は飽きてきたが、「今は痛くないです。」と、殊勝にこたえる自分。
胆のうに石は見えるけど、胆管付近には、石らしきものはないような・・・?(ぐりぐり)う~ん、今は痛くないようなので、この後、血液検査をして何ともなければ帰れますよ。
との事。
私は安心したが、この黄色いのは治るのだろうか・・?仕事なのに、恥ずかしい・・。
15分後、待合にて。
検査後、『黄色い自分はいつよくなるんだろう??』 などと疑問を感じながら血液検査の結果を待ち、15分くらいたったころだろうか、何やら医師数人が慌ただしく動いている。
???
どうやら私の検査結果の話をしているようだ。
わたしはちょっと不安になってきた。
さらに、ベテラン気味の女性医師が、さっきの若い医師に何かを指示している。
そして
至急、当直の消化器科のY先生を呼んで!!
と、看護師に指示を飛ばしている。
・・う~ん、『救命病棟24時』だな。と、痛くない自分はまだのんきに感心している・・・。
ように見えるかもか知れないが、実は心の中は不安でいっぱい!!
ど~なってんだ!!
すぐにY医師はやってきた。
今日見た医師の中では、ダントツに貫禄がある先生だった。
Y先生の説明。カニ、胆嚢炎だってよ!
血液検査後、救急室奥の診察机に呼ばれ、私はY先生と対峙した。
Y先生は、貫禄の割には ソフトな話し方をする。
説明自体は、先に行った救急医療センターの医師と同様の説明だったが、腹部が痛かったのは胆嚢炎。
黄疸が出たのは、胆管が詰まったことによることなど、手書きの図解で丁寧に説明してくれた。(絵は趣味か??)
そして、血液検査の結果、黄疸レベルがかなり強く、黄疸を示す数値が(アルブミン値)が、通常の10倍だったこと等を細かに説明してくれた。
そして
治療のため、今日はこのまま入院してください。
ええぇっ?!入院ですか?それも今日・・。しかも先生は、ヤギなんですか!?(おれは蟹だけど)
びっくりして、嫁と顔を見合わせてしまったが、不安になった私は、医師に恐る恐る「何日くらいの入院ですか?」と聞いた。
すると、「黄疸症状がよくなるのと、血液数値が正常になるまでです。恐らく一週間位は。」
との答え。
一週間の入院なんて(;´・ω・)、今日が日曜日だから今週一週間は仕事を休まなければ・・。
ああっ、火曜日と木曜日には、大事な会議があるのに・・・と狼狽えていたところに追い打ちの一発。
入院中、しばらくは点滴のみで絶食となります。入院中の手続きは、看護師から説明がありますから。
と言い、看護師へあれこれ指示したのち、「あとはよろしく~!」といなくなった。
即入院でした。
その後、「すぐに点滴を打ちますので。」と、看護師がでっかい点滴パックを用意してきた。
私は、急な展開に軽くパニックを起こしながら、促されるままに右腕を看護師へ預けた。
看護師は、「ちょっと痛いけど。」と言いながら針をブスリと刺したが、マジメに痛かった。
本当に痛かった。
そして、「病棟の準備があるので、しばらくお待ちください。」と説明し、『入院のしおり』やら『入院にかかる保証人』等などの書類を渡してきた。
保証人は、できれば親族との事だったので、偶然にも市内にいた義父の名前を嫁に書いてもらった。
その後、1時間くらいたっただろうか、看護師から「病棟準備が出来ましたので。」と声を掛けられ振り向くと、何とそこには車いす。
いやいや、普通に歩けるしと、丁寧にお断りしたが、「医師の指示だから座ってください。」と、否応なしのプレッシャーを与えられ、仕方なく私は車いすに座ったクララ。
病室へ
初めての入院だった。
初めての車いすだった・・・。
そのまま私は、看護師に車いすを押され、エレベーターに乗って消化器内科病棟に案内された。
病棟に着くとナース・ステーションで私の体は引き渡され、4人部屋に移動した。
この時午後3時半。
看護師は、「今日の担当です。」と、改めて名を名乗り(自己紹介か、今はこんな感じなんだね。) 「お腹は痛くないですか?」と聞いてくる。
「痛くないですよ。」と答え、看護師に初めての入院であることを告げたところ、「大丈夫ですよ♡←想像。」と微笑んでくる。
・・・・、優しい・・♡
マスクをしているが、多分綺麗な人なんだろうなと勝手に想像してしまう。
そんな私を、
デレデレしやがって(# ゚Д゚)
という目で嫁は見ていたのだろうが、病人の特権につき気づかないふりをしていた。
というか、嫁の事は忘れていた。
「病衣についてどうしますか?」
ときかれ、まさか即入院とは想定外だったので、病院のレンタルをお願いすることにした。
そして、点滴が繋がっていることから、着替えも手伝ってもらった。
(あれ?嫁は?)
そのあと、トイレの場所等、病棟の説明をしてもらった。
ベッドでのスマホ使用は、通話しなければ良いとの事。
また、激しいことをしなければ、特に行動制限もないことも説明してくれた。
「ただ、当分は飲食制限がかかっているので、水とかスポーツドリンクは多少摂取してもいいけれど、買い食いはダメですよ♡←想像」
と言いながら、看護師はにっこり微笑む。
私も「わかりました~(#^.^#)」と、自然にデレデレしてしまう。
一通りの説明が終わると、「何かあったらコールしてくださいね~。」と、看護師はいなくなった。
・・・・続く。
ご挨拶
こんにちは、かたせうみです。
この物語は、職場の隣人「嘉仁(カニ)」のノンフィクション作品です。
『人生半分過ぎたらしいので、色々やってみるブログ』は、かたせうみが管理していますが、『カニの胆石日記』につきましては、「カニ」が執筆して、かたせうみが加筆修正しております。
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