こんにちは、かたせうみです。
何処へも行けないので、最近アマプラとかで映画見たりしてるのですが、昨日は『SUNNY』を見ました。
『SUNNY』は元々韓国の映画です。
私は以前、韓流ファンの友人に半ば強制的に見させられ、最終的には『ちょっと古い感じがする映画だけど、いい映画だ』という感想を抱きました。
日本版が公開される時には、一度紹介記事を書いています。
主人公の「ナミ」は、幸せだけれど、夫や娘の世話に追われてちょっとだけ自分を見失っている40代。
ある日、母親の見舞いに来た時に、偶然昔の友人と遭遇します。
末期癌に侵された友人の願いはただ一つ・・。
キラキラしていた高校時代の仲良しグループ、「SUNNY」のみんなに会いたいと。
ナミは、友人「チュナ」の最後の願いを聞き入れて、昔の友人を探す・・。
という感じの映画です。
元の映画は地元韓国での評価もよく、口コミで広がり、好評だったようです。
で、日本版が作られたのですが、これが大コケ。
実は私も見てなかったのですが、どんなもんかなと見てみたら、あらあらあら、ほぼオリジナルを踏襲していてなかなか良かったです。
なんで、そんなにウケなかったのかな〜?
『SUNNY』の総評
日本で『SUNNY』がコケたのは、偏(ひとえ)にコマーシャル不足やプロモーション不足の責任だと思うのですが、途中、真木ようこの降板などもあり、公開前からケチのついた作品になってしまったのも、残念な部分でしたね。
日本版の『SUNNY』は、多少の脚色や改変はあれど、ほぼ元の映画のままで、細部のカメラワークなども同じ部分が多く、意地悪な感じで言うと、『随分脚本家も演出家も楽だったんじゃない?』という感じです。
ただ、登場人物が1人削られていた上、何故ここを省略するのか!
という部分がいくつかあり、残念です。
(しかし、ここがウケなかった要因とは思えない)
主演は篠原涼子ですが、オリジナルの雰囲気が出ていて、いい意味で地味な演技でとても良かったです。
因みに、篠原涼子の高校生時代は、広瀬すずが演じてます。
そして、板谷由夏・池田エライザにともさかりえ。
それから渡辺直美。
小池栄子は凄く良かった。
なんでコケたのか理由づけしてみる
『SUNNY』は、言ってみれば、女性版スタンドバイミーです。
昔のキラキラしていたころを懐かしむ映画。
スタンドバイミーが12歳の少年時代を扱っていたのに対し、『SUNNY』は17歳ですから、出来る事の範囲や環境は違うかもしれません。
でもね、女性の「あの頃の友達はもうできない」は、12歳ではなく、14~18歳なんですよ。
この映画がなんでコケたのかは、「プロモーション不足」 と書きましたが、それは一貫して変わっていません。
しかし、ターゲットが中途半端すぎたのも一つの要因だったと思います。
韓国版は80年代の洋楽ヒットソングに乗って話が進むのですが、日本版は90年代に置き換えられているんですよね。
メインで使われている曲は、安室奈美恵の「SWEET 19 BLUES」と、小沢健二の「強い気持ち強い愛」で、1996年と95年の曲です。
だいたい25年位前に高校生だったという事を考えると、対象年齢は40代前半??
いい感じに高校時代を懐かしむ世代かと思いきや、晩婚化や高学歴化で42歳はまだまだ昔を懐かしんだりしないのかもしれないし、子供の受験やら何やらで、映画を見る余裕もまだないかも・・。
さらに、韓国版が、激動の時代を扱っていたのに対し、日本の90年代と現在では、さほどの乖離はないという事も考えられます。
韓国の80年代は、日本でいう所の学生運動のような激動の時代なので、90年代はテーマに当てはまらなかったという事も挙げられます。
日本では、未だに学生運動時代のドラマはヒット確実ですからね。
「ボヘミアンラプソディー」があんなにヒットしたことを考えると、90年代をテーマにするには、まだまだ時期尚早だったのかもしれません。
主人公の高校時代は広瀬すずですが、話の内容から、すず世代の動員は見込めないでしょう。
それと、オリジナルの韓国版が、シンディーローパーやボニーMの曲を主体にしていたのに対し、色々な利権や思惑があったにせよ、国内ミュージック縛りはきつかったのかのかもしれない。
当時既に情報は氾濫していて、個々の好みや趣味も多様化。
誰もが同じ方向を向いていた時代ともちょっと違う。
オリジナル版は、『ベストヒット始まるから!』(これ、絶対「ベストヒットUSAだよね」)みたいなセリフがあるんですけど、90年代はもう、違うでしょ??
トレンドはもちろんあるけれど、違うよね??
さぶいぼの三浦春馬も見て
色々書いてきましたが、『SUNNY』日本版は、思ったよりも良かったです。
だから、スタンドバイミーや韓国版SUNNYがよくて、なぜ日本版『SUNNY』がダメだったのかと。
確かに、ちょっと痛いシーンや時代背景もあり、見る人にとっては黒歴史的な部分もあるんですよ。
特に、三浦春馬が登場するシーンや、広瀬すずにヘッドフォンをかぶせるシーン。
あ、ヘッドフォンをかぶせるシーンはオリジナル版にもあり、ほぼ踏襲されています。ここは映画『ラ・ブーム』のオマージュなんですが、ターゲット年齢の人には分かるのかなぁ・・・??
(この辺が、ターゲットを外す雑な部分)
それはそれとして、主人公のナミは、田舎から出てきた女の子の設定。
この辺が痛いし、三浦春馬の佇まいも痛い。
娘なんか『・・・、共感性羞恥心??見てられない・・』と言ったほど。
なんていうか、70~80年代の乖離と、90年代の乖離??
一応、時代背景は置き換えられてはいるけれど、なんか痛い。
とにかく、黒歴史とも思える痛いシーンも多いのが『SUNNY』。
これは、日本版も韓国版もかわりません。
だけど、最後まで見れば絶対評価は変わるはず。
ギャルがギャルすぎるという事もありますが、何でここまでウケなかったのかは分かりません。
『SUNNY』日本版は、アマプラで現在無料。
40代も50代も、30代だって60代だっていける。
以前の記事では「大化けするかも」と書いておきながら、大化けすることなくコケた映画『SUNNY』。
けっこういいから見てみてね。
あ、あと、オリジナル版を見る時はぜひ字幕版で。
声優さんとか、活舌とか、いろいろな要因で、字幕よりもストーリーが分かりずらくなっています。
訛りとか難しいと思うんですよね、文章で見た方がしっくりくる作品もあります。
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