こんにちは、かたせうみです。
父の家族葬の恥ずかしい話、前回は終わる見通しが立たず、心が折れて2回連載となりましたが、今日は何が何でも終わらせねば・・。
たったの家族葬でもこれなんだから、普通のお葬式って大変ですよね。
そりゃ、伊丹十三も映画にするわ(古い・・。昭和の映画)
私も昔、ど田舎の葬儀に参列しましたが、3日3晩のどんちゃん騒ぎで相当なカルチャーショックを受けましたよ・・。
今はもう少し簡素化されたようですが・・。
前回の記事は、こちら☟です
葬儀の前に用意するもの〜遺影に使う写真に困る
さて、葬儀屋との打ち合わせ。
しかし、その前にきっと用意しておかなければ、事がスムーズにいかないだろうものが想定される。
そのひとつが、「遺影」。
父は、定年前後の数年間、余生を楽しむために母と旅行などには行っていた。
しかし、母のだらしない性格で、それらの写真はてんでバラバラだし、ここ20年は株で失敗したためか、旅行も飽きたのか、歳のせいか、旅行などには行っておらず、近影なんて全くない状況。
ちょっとちょっと、写真くらい、葬儀屋が来たら絶対必要なんだから、私が帰る前に用意しておけってーの。
しかも、父はスマホじゃなかったし、気軽に写真を撮る世代でもなかったから、ホントに最近の写真がない。
母と行った旅行の写真も探したけど、スナップショットに建物と人物(しかも全身)を無理矢理収めようとしていて、人間がまるでゴミのようだ。
うう・・、超残念な写りの写真ばかりだ・・。
映える写真の撮り方くらい、YouTubeでも見て勉強して欲しかった。
私が14の時に亡くなった祖父なんて、老人クラブで遺影用の撮影までしていたというのに・・。
そんな中、私の記憶にある一枚の写真。
とある観光地で撮影された、B5版程度の、大きな母とのツーショット写真。
業者が撮影した・・のではなく、いろんなテーマパークで撮影される、あれである。
ジェットコースターに乗って、「いってきま〜す」とか、滑り降りた直後のびっくりした表情が勝手に撮影されてて、気に入ったら買うあれだ。
まぁ・・、あれなら何とか行けるんじゃないかと思うし、本人達も気に入って、しばらく居間に飾られていたものだ。
これだよこれ!
これで良いんじゃん?
と、探し出して母に見せたが、何だか母はオロオロしている。
どうやら母は、その写真に背景が写っている事とか、その写真が20年位前のものなので、父が異常に若く映っていることなどを気にしているようだった。
もうね〜!背景なんて綺麗に消して合成できるんだから!
私もいくつか葬儀に行ったけどね、70歳くらいで亡くなった方の遺影が、どう見ても40代だろうって事、沢山あったから平気だって!
と、説得した。
余談ですが、その後葬儀屋が来たので、まずは母が選んだ、人がゴミのようなスナップ写真を差し出しましたが、「これは、小さすぎて無理ですね」と、速攻却下された。
で、第二候補のさっきの写真。
父が今の母より相当若く見えることについては
お年のことは気になさらなくても、みなさんそんな感じです。
気に入った写真を出してください。
と諭され、母はやっと納得し、安堵していた。
因みに、写真の背景も色々選べて、地味なグレーから派手な紅葉、花のフレーム付きなど全部で20種類以上あったと思うが、地味なのも可哀想なので、なんか、百合のついたフレーム付きの背景に、勝手に私が決めた。
思い出の品とか・・無いじゃんね・・。
写真が決まった所で、葬儀の説明やお金の話。
それらが済むと葬儀屋は、当日お棺に入れるものの説明を始めた。
あ、話が前後しますが、父の遺体は検死が終わって戻って来てはいたものの(検死が終わって死亡診断書が出ないと、葬儀の予約ができない)葬儀が1週間先となった為、冷蔵だか冷凍だかの安置室を借りる事にしました。
料金は、1日あたり3,000円位。
だから、結局葬儀まで父の遺体を見ることは無かった。
・・んだけど、ほんとは会いに行こうと思えば普通に会わせて貰えるシステムで、確か、一回20分までなら無料で、それより長くいると追加料金という、キャバクラシステム。
でも、ちょっと不便な場所にあったので、葬儀の日まで結局会わずじまいでした。
閑話休題。
で、当日お棺に入れるもの。
故人とゆかりのあるものや、好きだったなものなどを用意して、副葬品として当日入れてあげてくださいとの事。
但し、金属とかガラスなどは入れられないので、お酒は紙パックにするか、中身を紙コップなどに移すように言われる。
なるほど。
そんな説明を最後にして葬儀屋は帰って行ったが、私達は、葬儀の前日までそれらを用意するのを忘れていた・・・。
で、いよいよ葬儀の前日。
いい加減、棺に入れて、一緒に旅立ってもらう物を用意しなければなるまい。
ところがどっこい、①でも書いたんだけど、父は晩年テレビを見るか酒を飲んでるかの楽しみしかない人だったので、お酒は入れてあげるんだけど、他に何を入れればいいのか分からない。
読書が趣味で読書量は多かったけど、全部図書館で借りてくるという周到さで、その辺の物も何も無い。
ちょっと!パパが釣りやってた頃のなんかとかないの!?(なんか・・、とは??)
無いよ!
そんなのこの間うみ(うちの弟妹は私を呼び捨てにしている)が帰って来た時全部処分したじゃん!
ああそうだった。
この前、って言ってももう何年か経つけど、母が脳腫瘍で寝込んだ時に、妹と2人でここぞとばかりに色々捨てたっけ・・。
悲しいかな、今やその棚には、油や水の備蓄品が鎮座している。
老眼鏡が無いと、好きな本があの世で読めないかも。
眼鏡はNGです。
後で火葬場の人に返された。
それなら、身分証明書が無いと三途の川が渡れないから、返上した運転免許とか入れなきゃじゃね?
注意:ここで身分証と書きましたが、健康保険証などはこの後行政の手続きなどで使うので、副葬品に入れてはいけません。
碁石と碁盤は?
碁盤はデカすぎて入らないし重い。
碁石は燃えないからNGで、どこにしまったか分からない。
もう、その辺の靴下でも入れとくか・・。
そうだ!
超高温スーパー火力で焼けるから、毎日寝る時に着てた浴衣とか入れとく?
そうだね♪
それなら、愛用してたジャージも燃やしてもらうか。
て、おいおい。
もはや目的が副葬品を選ぶから、要らないものを燃やす事に・・。
火葬場は体のいい焼却炉ではありません。
で、この時選んだものは、確かにお気に入りでほぼ毎日着てはいたけど、年季の入ったヨレヨレの浴衣。
息子(私の弟。既に40過ぎてるが、ジャージは未だに無事であった)と孫のお下がりジャージ。
爺さんが、孫や息子のお下がりジャージを着ているのはデフォルト。
勿論学校名が入ってる。
これらを纏めて風呂敷に包み、当日は風呂敷ごと足元に添えてあげればいいねと話が纏まる。
ついでに、弟が買って来た、父の好物であった魚肉ソーセージなども添える。
お酒は、紙コップに移すのが面倒だったので、たまたま売ってた紙パックの鬼殺し✖️2。
いよいよ当日。式はあっという間に終わったが・・
さて、当日。
ちょっと早めに到着すると、父の遺影などが飾られている。
うんうん、写真は修正され、日に焼けていた部分の彩度が蘇っている。
なんか・・、パパの髪の毛、黒くてフサフサしてない??
・・・・。
確かに・・。
色味は綺麗に修正されているが、雑な感じに髪の毛が黒くて量が増えている・・。
まぁ、遺影だし良いか・・。
で、家族葬は超早で終了。
坊主の説教もなければ、喪主の挨拶もなし。
参列者も、呼んだ人しか来ないし気楽なもんだけど、かなり式は簡素で、お坊さんも料金分しか働かないスタンスだ。
ていうか、すごい時給だな、あのお坊様・・。
ところで、葬儀屋によっては家族葬用の斎場を設けている所もあるが、今日は普通の斎場。
他にも葬儀が入っていて、我が家と同じくらいの規模のところから、結構大きなお式を行っている所もある。
親族が多く集まり、小さな子どもが数人いるような集団もあった。
亡くなったのは・・・。
こう言うところに来ると、色々考えてしまうよね。
さて、焼香などが終わると、いよいよ
最後のお別れです。
となり、棺に副葬品を入れ、故人の周りを花で埋める作業となる。
促されるまま、厳かに、副葬品を風呂敷ごと足元にそっとおこうとする私。
どうぞ、包みから出して広げてあげてください。
ふぁへ??
どうぞ、どうぞ!
ええ??!
ちょっと・・、包みから出すとか聞いてない!!
バツが悪そうに、顔を見合わせる私と妹・・、と弟。
母はもうどうでも良いらしい。
・・・・・・💦
・・・・・💦
しかし葬儀屋は、こちらの顔色も気にせず、良かれと思ってすすめてくる。
やめてやめて〜〜〜!!
包みの中身は魚肉ソーセージだし、ヨレヨレのジャージだし、薄汚れた浴衣なんだから!!
家族葬と言ったって、極少数の親族は来てる上、その人達は、こんな時しか会わない人たちばっかりだ。
それに、夫側の親族だって来てるんだから!!
やめて〜〜〜〜〜!!
・・・、とも言えず、呆然としている私たちを尻目に、葬儀屋は、「故人にかけてあげてください」とか「広げてください、みなさんで」などど、その場を仕切っている。
空気を読めずに「何でこんな浴衣なの〜?」などと、笑いながら祖父に浴衣をかける孫達・・。
そう、それは、私の息子と娘(成人済)。
そして、妹の息子達(18歳成人済)だ。
・・・、オワタ・・。
こんな事なら、父がお正月に好んで着ていた紬の着物でも入れておくべきだった・・。
オシャレなセーターとか、六法全書とか文学全集とか入れてあげて、見栄を張るべきだったのだ・・。
不覚・・。
せめてもの救いは、悪ふざけでエロ本とか入れてなかったことぐらいだ・・。
あとがき
そんなこんなで、父は、花に埋もれて旅立っていった・・。
花もね〜、少数で入れるから何回も順番が回ってくるし、葬儀屋は「どんどん入れろ」みたいに言うから、最後は皆、花を鷲掴みにしてバンバン棺に入れましたよ。
まぁ、こんな感じで父の葬儀は涙のないまま終了しました。
父の場合は、本当に近しい人は既に逝ってしまっていたり、親族もほぼいないし、遠くだったりで家族葬でよかったんですが、個人的には、お別れをしたい人が周囲にいるうちは、ちゃんとしたお葬式をしてあげるのが良いと思いますよ。
「家族葬なんで」と言われる事は、それとなく参列を拒否する意味合いでもあるし、お別れの式というのは、故人のためだけではなく、故人にお別れを言い、出棺を見送り、青春あばよと心の整理が必要な人の為にあるものでもあると、私は思うので。
と言うことで、本日はおしまい。
みなさんも、副葬品には気をつけてくださいね。
それではまた。